こんにちは。映像翻訳者で薬膳研究家のTUGUMI(つぐみ)です。
「こんにちは、私のお母さん」(原題:你好,李煥英)という中国映画をご存じでしょうか。
コメディエンヌである賈玲(ジア・リン)が自身の母との実話を元に監督・脚本・主演を務めた大ヒット作品で、900億円の興行収入を記録し、この作品で賈玲は「世界で最高興収を稼ぐ女性監督」となったそうです。
私はAmazon Prime Videoで視聴しました。

「こんにちは、私のお母さん」(原題:你好,李煥英 英題:Hi, Mom)
2021年 / 中国映画 / 中国語 / 128分
監督:賈玲
脚本:賈玲
出演:賈玲、張小斐、沈騰、陳赫、劉佳
【ストーリー】賈暁玲(ジア・シャオリン)は何をしてもダメで母親の李煥英(リー・ホワンイン)手を焼かせてばかり。大学合格の祝賀会を終え2人で帰宅する途中で交通事故に遭い、母親は意識不明の状態に陥る。母を喜ばせてあげられることが何もできなかったと後悔する賈暁玲は、なぜか20 年前の 1981 年にタイムスリップし、若かりし母と出会い、母の幸せのために奮闘するが…
「こんにちは、私のお母さん」がNHKラジオの教材になっていたのは知っていましたが、それ以外の予備知識はゼロのまま何となく見始めたこの作品。始めは「ちょっとコメディ要素が強そうだなー」と思いながら見ていたのですが、思わぬ方向に進んでいき、はからずも号泣してしまいました。最後の展開がすばらしく、すっかり引き込まれました。
最もグッとときたのは母親の李煥英(リー・ホワンイン)が、娘を受け止めに駆け寄るシーンのセリフです。そのひと言がすべてを表していました。ここで一気に涙腺が…
母親役の張小斐(チャン・シャオフェイ)の演技が本当によかったです。終盤、彼女の表情ひとつひとつにハッとさせられました。張小斐は「こんにちは、私のお母さん」が上映された年、最優秀主演女優賞を受賞しています。
今は亡き最愛の母にしてあげたかったことが素直に表現されていて、しみじみと言い作品だったなと余韻に浸りながら映画を見終えようとしていたのですが、最後に流れてきた次の字幕だけが唐突で意味がよく分かりませんでした。
女儿出生后 李焕英几乎没有自己买过任何东西
印象中只说过一句
”那件皮衣 要是再绿一点就更好看了“女児を出産後は
引用元:Amazon Prime Video 「こんにちは、私のお母さん」
自分のために買い物はせず
印象に残る一言は
“あの皮の上着 もう少し
緑色ならいいのに”
「あの皮の上着 もう少し緑色ならいいのに」にという字幕に関係するようなセリフやエピソードが映画の中で見つかりません。セリフはすべてつながっているはずなのにおかしい…
そこで、いろいろな中国のサイトを調べました。それらの情報をつなぎ合わせると、上着に関する実際のエピソードはおそらくこういうことかと思います。
大学生の時、賈玲はバイトをしてお母さんに皮の上着買ってあげたのだが、お母さんには小さすぎた。その時にお母さんが、慰めるために賈玲に言った言葉が「あの皮の上着 もう少し緑色ならいいのに」。賈玲はその上着を持ち帰り交換したが、渡す前にお母さんが亡くなってしまい、結局着せてあげらなかった。そのことが心残りだった賈玲はこの作品の中に、お金を貯めて上着を買うシーンを入れ、映画の中でお母さんに着せてあげた。(最後のほうで母娘がドライブするシーンでお母さんが着ているファー付きの皮のコートがその上着のよう)
<参考サイト>
https://www.sohu.com/a/656042540_121395739
https://www.loxue.com/zuowen/guanhougan/180590.html
この皮の上着のことは中国では感動エピソードとして知られているようです。
…ですが、そんなシーンはなかったはず。たぶん。
もしかすると日本語字幕版(もしくは、Amazon Prime Video配信分?)はこの上着に関するシーンが何らかの事情で少しカットされたのかもしれませんね。(私が見逃した可能性も…)
全体として本当にいい映画でした。この記事を書くために見返しているときも何度も泣いてしまって大変でした。古きよき時代の中国も垣間見ることもできるおすすめの映画です。
「こんにちは、私のお母さん」はAmazon Prime Videoで見ることができます。